のりーのアトリエ

家具屋・FP。思いついたことをつらつらと綴っています。主にfusion360のパラメトリックモデリングについて、ずっと書き続けます

家具設計のプログラム「カグメイク」を作りましてん~part6

 

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どうも、さんよーさんです。

part5まで一気に書いてしまいました。

こんなに長くなるなんて。

 

さて、そんなプログラムを作ってしまったわけですが、ネーミングですね。

僕はいろいろ考えて、ドライブ中に考えつきました。

 

「壁面の壁子さん」

 

どうです?古臭くてかっこいいでしょ?

 

へきこさん。

 

かわいい・・・

 

でも、周囲の猛反発にあいました。数か月粘ったんですけどね・・・

 

で、色々な案を募集するも、ほら、弊社コミュニケーションが薄いじゃないですか。だからしゃーなしに、「カグメイク」に改名しました。全然おもんない名前。まあ、よく考えたらどっちでもいいやって思って・・・

 

で、カグメイクを作ったら作ったで、今度は社員の皆さん、

3Dでできた家具はfusion360では2Dに出来るんですが・・・

「3Dを2Dにするのが3Dよりはるかに時間かかってござる」

とおっしゃるわけです。

 

そうこうしてたら、僕自身も半年から在籍しているわけで、いろんなこの会社が抱えるバグが見えてきます。

見積がザル。というか雰囲気でやってるやろ。

発注ミス多すぎ。短かったら切ればいいからいいじゃないですか。とか言わないで僕に

そもそも全部の事務作業おっそい

顧客の名前間違えないで

もう挙げたらキリがないわけです。

 

これまた不動産屋の時に使ってた業務基幹ソフトを自作しよう!と思いました。

 

あ、申し遅れました。

3DCADソフトはそもそも無いの?って話ですよね。

そもそも家具で設計ソフトはニーズがヘボすぎて、ほぼ無いみたいです。いまだにそのソフトウェアに当たらないってことは、無いんでしょうね。ビッグサイトに行ったときに、異常に高くてしかも単品家具しか作れないソフトは見ましたが・・・

2Dはいくつかあります。でも2Dです。お客さんが見ても3面図から家具は想像できませんよね。

 

で、家具の設計図面をある程度ストップして、基幹ソフトの製作です。

言語ですか?もちろんエクセルです。VBAです。

fusion側はpythonなので、pythonも使えるようになってきました。へへ。

 

とりあえず、出荷のどっかの広島県の業者が作ったデータベースからはデータを全然出せないことがわかり、会計も手書きなのでエクスポート出来ず、顧客リストもないという、今でこそ驚かないですが当時考えられない事がわかり・・・

 

年賀状の住所録から顧客リストをつくるところからスタート。

樹種や家具の品名・金具にナンバリング・在庫管理ソフトを作るではなく、個人の頭の中にしかない在庫金具の置き場を作るところからスタート。

 

で、とりあえず見積依頼が来た瞬間に勝手に番号を付与されて、その時に入れた情報だけで会計まで串刺しにする仕組みが出来上がりました。

pythonで、フォルダ作成、ファイル作成、3D,2Dも作れるようにし、

excel+VBAで、会計ソフト連動、積算、見積、DB機能、受発注

onenoteにて連絡のやり取り、進捗や金具の隙間や加工図面共有

trelloという工程管理ソフトに自動でVBAでカードを作成し(ちょっと不細工だけど下図)、そのカードもエクセルやfusionで作ったものを勝手にスクショして勝手に出来上がるプログラムを作って・・・マネーフォワードにパス

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現場にこの看板が勝手に移動するようにして、それをIoTで勝手にラズパイのサーバに近づいたら看板が移動するようにしようとしたりして(現在ストップ)、あれやこれや・・・

 

気づけば、図面よりもはるかに優秀なシステムが出来上がりました。

当社は高齢化が進んでいて、50歳以上の人がいっぱい。

だから、3Dのついでに、その人専用の図面とA4の一枚の用紙を印刷します。

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老眼だから、20ポイント程度のフォントで・・・

3面図から読まなくてもこれで丁番の位置を出せるんですねっ。

これも工場に流す図面と一緒に同時で印刷できるようにしました。

 

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段ボールのサイズ。

特注だから、一つ一つ、家具の形に合わせてカッターで折り目つけてたのを、数値をあらかじめ箱ごとに吐き出すようにしました。1つの段ボールに10分かかっていたのを、12個で10分に短縮。工場には板を正寸カットする工作機械があるんですよ。

 

配送伝票。納品書。配送の際に段ボールに貼る、顧客名とボックス番号も自動印刷。

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ファックス送付も、時間が出来たので設計社員さんが下請けさんと打ち合わせしてくれて、「これならうっかり間違えないでしょ」というものを作ってます。

 

そもそも3Dからデジタルツイン(大げさ)的に発注書を作っているので、サイズのミスが無くなりました。

 

グーグルカレンダーもさらに活用しています。

 

以上がカグメイクです。

 

っと・・・嘘でした。家具を3D図面作成はどうなってるか?ですよね。

1.エクセルで数値を入れます。縦横高さ・仕様・金具等。2等分の扉とかであれば、基本的には全部自動です。

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2.自作のfusion360アプリで読み込みます。

3.出来上がり

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4.3Dには2Dがついてきているので、更新しておしまい。

イコール、見積すれば3Dも2Dも現場指示書も工程表もついてくるソフトになってます。

ちなみに、エクセルかよ!!!!って思うかもしれませんが、テーブルや、すこーしだけある定番商品は、その商品番号やサイズだけ入れてぽちっと押したら1分で全部終わります。すごいね。病的だよね(汗

 

現在の開発状況はというと、おかげ様で、各方面から連絡をいただいたり、結構なご注文をいただいたりしていて、今後、力をお借りして、さらなる進化をさせようと考えています。

 

僕の作ったプログラムは見ていただいた通り、ノンプログラマーなので、Autodesk,Microsoft,Google,Trello,Apple,Amazon,コニカミノルタなどのウェブサービスをつなぐ接着剤を無数につないで、AさんとBさんの間の情報伝達を一つ一つつぶしていっただけのプログラムです。

 

2年なので、出来たことが知れてるのでここまでですが、今後は様々な方々に応援いただいて、「家具版のクックパッド」を作ろうと思っています。

 

自分の作ったプログラムはあくまで専業主婦でも設計出来るものだと思っています。

もちろん、世にあふれているようなものと比べると、そこそこ「家具が好き」は必要だと思います。

でも、モデリングさえ出来たら、どんな家具屋でも家具製造出来ちゃう。

それを実現させちゃうツールに進化させています。

 

そして現在の家具の問題点は、僕は家具の集合知が無いことだと考えています。

 

「ルンバが入ります」

これですら新しい

「ルンバ入らないじゃん」

これが普通

そんな馬鹿な。

高級家具ばっかり作ってて目が曇ってはいますが、お子様がいる家庭では下の箱の扉は子供があけれたら失明しちゃうかもしれませんよね。

 

当社の顧客、年収が2000万円以上の人ばかりです。そんな馬鹿な。

もっと特注家具をカジュアルに

昇進して部屋もテレビもアップグレードした。家具もそこに並ぶように。

 

カグメイクでモデリングして、納得が出来たら?産地と金額を選んで注文が出来る。手先が器用な人は集合知を利用して自分で設置する。そうでない人は大工に設置してもらう。

 

最初、自社を良くしようと考えて作ったプログラムは、なぜか勝手に進化して「家具設計の民主化」を行うツールとして考えています。

 

どこまでできるのか?は分かりませんが、せっかく家具屋に寄ってるので、ついでにもう一仕事。

楽しんで挑みたいと思います。

 

全六回、読んでいただいてありがとうございます。

みんなで好ましい設計の未来を作れると楽しいですね!

 

youtubeやってますので、出来たら見てくださいね~。この文章と同じでいつもやっつけでやってます(笑

 


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