家具設計のプログラム~「カグメイク」作りましてん part2
さて、part1に続いてpart2です。
入ってみた家具業界ですが、本当に結構しんどい感じでした。
家具屋らしい家具屋がそもそも希少。
どこかのやっすい家具を作っているメーカーの下請け「のみ」
だったりとか、家具じゃなくてそれ、〇〇屋じゃないですか
みたいな状態。
家具を家具として作っている会社はその少ない家具屋の中でも何社なんだろうか!?!?!?という状態。
そしてまとまった仕事を受注することが出来て、下請けさんを歩いてみたらなんと、受注が落ちた時にすべて自社生産にしてしまっていて、下請けさんはとっくに廃業してる・・・
家具メーカーが家具メーカーに注文するしかないぜ、ってくらいまちを挙げての最大生産力が無い。
「おー。思ったよりひどいでござる」
というのが感想でした。まあもう入社してたけどね!
というわけで、がんばろっかな~って思っても、毎年2件ずつ家具組合の方々は順調に脱退しているわけで、「頑張って会社維持しても10年後に材料買えるわけねーじゃん」というのが僕の雑感でした。
不動産業
をやってたのはpart1で言いましたが、不動産屋で一人前と言えば、弁護士、司法書士、調査士、税理士、行政書士等々、士業の方々を300人とつながっていたら大体一人前ちゃうの。って言われる感じでした。
家具屋・・・横のつながり全然無いぜ。あるって言ってる人いるけどあるうちに入らんぜ・・・
ということで、ふつうはそこをつなごうとするんでしょうけども、基本的にはガチの引きこもり体質ですし、「お前家具の事知りもしないくせに」と皆さん僕のことを本当に愛のある言葉で肯定してくださるので、そんな方々に混ぜていただくのはやめとこうと思ったわけです。
・自分だけの何か強いものを作って売ろう
・自社だけ儲かるものじゃただの延命措置で、不動産業に復帰出来ないよね
この二つが、入社してものの数日で分かった・決めたことです。
part3につづく
家具設計のプログラム「カグメイク」を作りましてん~part1
こんにちは!のりーです。
すっかりブログの存在を油断しておりました。
さて今日からもろもろ書いていこうと思います。
カグメイクというプログラムを自作しました。全6回の記事です。
「何人で作っておられるんですか?」
さんよー「一人です」
「なんで作ったんですか?」
さんよー「わかりません」
というふざけた返答を真面目にする僕なわけですが、なぜこのようなプログラムを作ったか、と、今後どうしていくつもりかを書いてみようかなと思います。
まずぼく個人ですが、もともとはずーーーっと不動産屋でした。
中でも資格大好きで、一応宅建村では一番上かなあ?の、「宅建マイスター」を持ち、今でも判例はかなりそらんじる事が出来る不動産のヲタクでした。
https://www.retpc.jp/meister/about/
そんな自分がなんで家具?なんですが、色々あります。
社員やその当時を知る仲間が居る時にしか話せないくらいの事が、前の不動産屋を辞めた日に起きたんです。3つの大事件のうち一番ソフトなもので言うと、一番自分をかわいがってくれた恩師が死んだりだとか・・・(汗
で、僕が住んでる「広島県府中市」は、旭川、飛騨、静岡、徳島、大川、府中という六大産地の一つで、小さいころは紛れもなく「家具のまち」でした。
今は、家具の材料を買うにしても、府中市内で揃わない。納期が当日だったものが4日~5日待たなきゃいけない。「元家具のまち」いや、「お好み焼きのまち」になってます。
そんな中で、辞めた日に事件が起きたのも起きたで2年たった今でも、「すげかったな~どんだけ前世で悪いことしたんじゃろか」と思うわけですが、その中でも今の会社に在籍して立て直そうと思った最もでかい理由は不動産時代の僕の後悔にあります。
もともとは67社あった府中家具工業組合の組合員も、今や15社になってます。組合員だけで50社減ってます。廃業ならまだいいけど、倒産破産等もありました。
自分も経営者として、倒産や破産は別に構わないと思います。自業自得というか、そもそもそれを織り込み済みで経営者をしているわけですから。ある程度同情はするけどしょうがない。
ただ、一つ困るのは社員さんですよね。
社員さんは、ある日突然来たら入口にロープがしてあるわけです。
ある日起きたら会社が閉まってて、「今日中に出ていけ」くらいの勢いで社宅を追い出されるわけです。
不動産の中でも賃貸もかなりガリガリしていた僕は、「良くない人は入居させない。させたらほかの良い入居者が居なくなってしまう」と、貯金も無くて職もない人の入居を断ったり、レオパレス社などの物件を紹介するだけでまあ日本語で言うところの、「厄介払い」をしてました。
ただ、元家具のまちとしては、自分の親族の介護だとか、タクシーの運転手だとかが、指が一本無い人を見かけることが多いんですよ。
介護やタクシーの運転手を馬鹿にするわけじゃないです。
生粋の職人が家具業界の将来に何もないことを認識して、または再就職先として受け入れどころかどんどん減る一方で、家具の一流技術を持った人がその他の業界に行ってしまっているんです。
事件は事件であったんですが、そもそもが地域の産業としての家具というものを間近で考えてから。資格は山ほど持っているし、営業力が誰にも負けないんだからいつでも不動産業戻ればいんじゃね。ってことで、同級生が経営する家具屋に入社しました。
youtube始めました
パラメトリックモデリング-矩形したパーツ同士もパラメータで管理する
パラメトリックモデリング-矩形したパーツ同士もパラメータで管理する
youtubeによる解説を始めました。
何か文字だと大変だなあって思っていたので、動画だと意外と簡単でびっくりしました。
色々と、家具屋ならではの少しマニアックな事を伝えていけたらと思うので、是非ご覧ください~。
動画は、矩形をパラメトリックに管理して、アイテムと家具の板が連動するようなものとして作っています。
パラメトリックにレンダリング用のアイテムを色々配置しよう
前回は、スケッチ→シートメタルを使って部屋を作りました。
今回は、アイテムを配置したいと思います。超簡単です。
※一応、王道のやり方とは違います。コンポーネントはある程度にしないと重くなっていきます。ただ、アイテム数十程度ならいちいち持ってくるより遥かに早いです。
超適当にボトルのようなものを作りました。
前回の部屋を使いますね。
どこに置きたいかですが、ご自由にどうぞ。という感じです。
わかりやすくするために、ボトルを2つほどコピーします。
では毎度高齢パラメータです。fxのアイコンから
スペルミスってますね・・・すみません
bottle x,y,zで原点とジョイントします。慣れるまでは他のコンポーネントは非表示にするのがいいかもしれません。
これで、原点とジョイントされました。
bottleのパラメータを動かします。
yは手前がマイナスだったりします。いじりながら学んで下さい。
浮いた・・・
で、せっかく三つ作ってるので、これもパラメータで頑張りましょう
3つ浮いてる・・・
で、自分の場合は3Dのショールームに、オブジェクトを沢山配置してます。ソファや照明、オーナメント、LEDなどなど。。。それらを・・・
yをプラスにします。すると、凹み部分500だったので見えてるし、3つ目のボトルはy=-1000なのでまだまだ見えてますが、壁の裏側に消し去れます。
奥や、すごーーーーく手前に色んなものを置いておけば、いつでも取り出せるようになります。便利ですよ!
次回は、もう少しパラメトリックにこれらのアイテムの移動をやってみようと思います。
お部屋をパラメトリックに作ります。
3DCADなお仕事をしていると、「レンダリングして!」と言われる事が最近あります。
レンダリングするのはいいけど、イメージするためには色々必要な事があるなあ。
特に壁面収納だと、「ビシッ!!」と壁に収まっているのがいいわけですから、ただの何もない空間にポツンと置いてると、せっかくの超高級品がグレードダウンしちゃいますよね。
そこで今回は、壁を作ります。
超簡単です~。
まずはスケッチ!
原点が中心とします。適当に右側の壁と左側の壁までの間が5000、1000としました。左側と右側に壁あります。
550ミリの凹んでる部分に、奥行550の家具を入れたいなあ。と。
スケッチ終了!
で、次に、シートメタルのフランジです。
線をまんまで押し出せます。普通のソリッドの場合には、線で囲んだプロファイルじゃなきゃダメなんですが、線のままで出せます。天井見えたら苦労するので、うんと高く伸ばします。
完成です・・・
かわいい。
奥行がイマイチなのでスケッチで修正しました!あと、シートメタルなんですが、壁に外観を適用しました。
とまあここまで。スケッチ書いてシートメタルしただけ・・・
ですが、パラメトリックにやりたいので少し変えていきます~。
修正にある。fxですね~。
ユーザーパラメータという文字の右にある+から、パラメータ名、単位、数値の順に入れます。基本的にはパラメータ名と数値だけでOK
スケッチの寸法が入っている所に、その単語を打ち込みます。パラメータが少ない間は数文字入れるだけでオンリーワンな単語になるので入力補助が便利です。
入力終わってスケッチ終了すると!?
また適当に入れ替えてみます。
勝手に動きます。
あとは適当に、「撮影ルーム」とかの名前で保存しておけば、いつでも家具を置けるスペースが作れます。素晴らしい。
まあ、めんどくさいからいつも家具単品で撮影しますけどね・・・
・・・・明らかに壁紙の色間違えた・・・
次回は、部屋に配置する家具をお手軽に配置する方法について書いてみたいと思ってます。
自作の家具3D図面作成プログラム「カグメイク」が日本経済新聞中国地方版に掲載された~
日経新聞さんに、自作のfusion360駆動ソフトのカグメイクが掲載していただけました。構想から半年で作り、未だに諸々の開発を進めているものですが、まだまだ進化し続けております。
理想では、家具の設計を家具好きの方が誰でも出来るようになればと思っているプログラムですが、まだまだ一般公開まではロードマップは長いかなっと思ってます。
年間1000アイテムの別注家具を作っている弊社の物量を活かして、あらゆる別注家具をfusion360で誰でも簡単に、現場製作図までモデリング出来るようにしようと画策しています。
有難い事に掲載後、様々な方からの問合せをいただいて、対応に追われてます。
もっと開発頑張らなきゃです。
パラメトリックモデリング7~丁番の作り方
前回までは、丁番の角度がくるくる回るためのやり方について解説しました。こんな手前味噌な解説で分かる人が数人でもいてくださったらいいなと思います。
ささっと。。。
丁番の設計の時に、既に、Varという文字で作ってます。
3種類の丁番のうち、その0,1,2という数値を掛け算したらその形状が変化するように作っているだけです。
この通り。choVarが0のときには0.05ミリ、2の時には18.05ミリになるんです。あとは押し出しする場所をオフセットしつつ、そのオフセットした四角形に向けてロフトするだけです(いきなり雑でごめんなさい)
2枚上の丁番とこの丁番、パラメータの違いは、Varが0か2か、ってだけです。LRが0か180か変更したら、くるっと回って右扉用が左扉用に変わります。
次回は、どうやって家具をまるごとパラメトリックに作るのか、のお見せ出来る部分をお伝え出来たらなって思います。お見せ出来ない部分はお見せ出来ないかもしれません。
ものすごく当たり前の事を言ってる自分がいてびっくりしてます。